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[2025年05月08日] 「第58回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第1節総括・第2節展望

 去る4月19日(土)・20日(日)の両日、石川県金沢市・金沢市営専光寺ソフトボール場を会場に「第58回日本女子ソフトボールリーグ」が開幕。リーグ「開幕」となる「第1節」はプラチナセクション・サファイアセクション合同開催となり、日本リーグ所属の全12チームが一堂に会し、熱戦を繰り広げた。

 サファイアセクションは、前年度準優勝・VONDS市原 Emerald Green、同4位・厚木SC、同6位・YKK、同8位・平林金属 Peachblossoms、同10位・小泉病院 Blue Arrows、同12位・ペヤングの6チームで構成され、セクション内で2回総当たりのリーグ戦を実施。プラチナセクションとの「交流節」3試合を含む全13試合の結果でレギュラーシーズンの順位を決定。その順位に基づき、「最終順位決定戦」となる「順位決定節」に臨むことになる。

 ここでは、サファイアセクション「第1節」を振り返り、「第2節」での戦いを展望してみたい。



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 2勝0敗 同率首位:YKK
 
第1節終了時点チーム成績
チーム防御率:0.00(1位)
奪三振:17(1位)
総失点:0(1位)
チーム打率:3割6分5厘(2位)
総得点:14(2位)
総本塁打:2(1位)
総失策:0(1位)
守備率:1.000(1位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 YKKは初戦で昨シーズン8位・平林金属 Peachblossomsと対戦。2回裏、打者一巡の猛攻で3点を先制し、5回裏にも3本も長短打を集め、2点を追加。「自慢」の強力打線が8安打・5得点を叩き出し、このリードを「日本一投球間隔が短く、テンポの速い投手」畑中萌が12三振を奪う力投。5-0の完封で開幕初戦に勝利すると、続く昨シーズン準優勝・VONDS市原 Emerald Greenとの対戦も初回、先頭打者・中谷美里のいきなりの三塁打、昨シーズンの「優秀選手」東郷佑実の犠飛であっさり先制。2023年・2024年「2年連続」で「優秀選手」に輝いた宮坂佑希が立ち直る時間を一切与えず、センター頭上を越えるソロホ―ムランで続き、強烈な先制パンチを浴びせると、続く2回裏にも2024年「優秀選手」の東郷佑実のスリーランを含む4本の長短打を集中し、大量5点を追加。序盤で早々に勝負を決めてしまい、先発・木澤愛梨が「強力打線」の大量援護にも恵まれ、散発4安打で2試合連続の完封。投打が噛み合い、「強さ」を感じさせる試合内容で開幕連勝の好スタートを切った。

 もともと「強打」を売り物にしてきたチームだが、昨シーズン「ルーキー」としてチーム加わった畑中萌、木澤愛梨が1シーズン「実戦経験」を積み、確実に成長。「第1節」では左腕・畑中萌が「日本一投球間隔が短く、テンポの速い投手」と評される独特の間合いで相手打線を翻弄し、12三振と「三振の山」を築き、完封。一方、右の木澤愛梨はピンチを迎えてもまったく動じることなく、「ポーカーフェイス」と「マイペース」を貫き、こちらも相手打線に最後まで得点を許さず、2試合連続の完封勝利。開幕連勝スタートの立役者となった。
 打線も「監督兼任」でチームを引っ張る青木千秋が6割6分7厘・打点2と絶好調。2023年・2024年「2年連続」で「優秀選手」を獲得している宮坂佑希も打率5割7分1厘・本塁打1・打点4と今シーズンも好調を持続し、昨シーズン「優秀選手」に輝いた東郷佑実が打率5割・本塁打1・打点4と「実力者」が額面通りの力を発揮。前田あみも打率5割・打点3、「不動の4番」大内麻里奈も打率4割と当たっており、成長著しい投手陣をしっかりと援護している。
 投打の「数字」がその「強さ」を裏付けており、投手陣が失点0・防御率0.00・奪三振17はすべて「サファイアセクション」トップの数字。打線もチーム打率3割6分5厘(2位)、総得点14(2位)、総本塁打2(1位)と「強力打線」に偽りなしの堂々の成績を叩き出し、守備面でも失策0・守備率1.000と投・攻・守、すべての部門でほぼほぼ「完璧」な成績を残している。

 「第2節」では、初戦でいきなり「開幕連勝スタート」を切った小泉病院 Blue Arrowsとの「全勝対決」が組まれ、第2戦でペヤング、最終戦で厚木SCと対戦する。
 初戦の相手・小泉病院 Blue Arrowsは「第1節」2試合で21得点と打線が好調。チーム打率も「強打」のYKKをしのぐ4割4厘と当たっている。一方で投手陣に「エース」といえるだけのピッチャーが現時点では存在せず、誰をYKK打線にぶつけてくるかもこの試合のポイントになりそうだ。また、「第1節」で2試合連続の完封勝利を飾った畑中萌、木澤愛梨の投手陣がチーム打率・総得点で「サファイアセクション」トップを走る好調な小泉病院 Blue Arrows打線をいかに封じるかもこの試合の「焦点」となりそうだ。
 第2戦のペヤング戦は、例年、シーズンの最終盤になって「初勝利」を挙げている感の強いチームだが、今シーズンは「第1節」で早くも「1勝」を挙げている。「エース」平山綾乃に頼り切りだった投手陣にまったくタイプの違う「ルーキー」齋藤南美が加わり、シーズン「開幕」となる「第1節」で「1勝」を挙げる「陰の功労者」となっている。ペヤングが左の平山綾乃、右の齋藤南美、どちらを起用してくるか、また、YKKの「強力打線」がいかに攻略するかが、この試合の見どころといえよう。
 最終戦の厚木SC戦は、YKKとは対照的に「第1節」連敗スタートで「エース不在」の投手陣に苦しんでいる。「先手」を取る試合展開となれば、YKKペースで試合が進みそうだ。

 「第1節」での試合内容を見る限り、YKKが「サファイアセクション」の首位争いをリードしていく存在となりそうな予感は十分。ただし、シーズンはまだまだ始まったばかり。この「好調」をしっかりと持続していけるかどうか……YKKの「真価」が問われる。また、長いシーズンでは投打ともに「好調」の時期もあれば、投打が噛み合わず苦しむ「不調」の時期もあるはず。「好調」な時期にしっかりと勝ち星を積み上げ、「不調」な時期に苦しみながらも勝ち星を拾っていけるようなチームになること。それこそが「真に強いチーム」であり、「サファイアセクション」首位争いをリードする存在となるはずである。

「第2節」YKK 試合予定
5月16日(金)
対 小泉病院 Blue Arrows(第1節・2勝0敗)※15:00試合開始予定
5月17日(土)
対 ペヤング(第1節・1勝1敗)※15:00試合開始予定
5月18日(日)
対 厚木SC(第1節・0勝2敗)※12:30試合開始予定

 

「第1節」連勝スタートを切ったYKK。「強さ」は本物!?


投手陣が成長・安定! 左腕・畑中萌、右の木澤愛梨がともに好投! 「第1節」は2試合連続の完封勝ち!!


2年連続で「優秀選手」に輝く宮坂佑希ら打線にはタレントが揃う。投打に充実し、「サファイアセクション」首位争いの「主役」に躍り出た



 2勝0敗 同率首位:小泉病院 Blue Arrows
 
第1節終了時点チーム成績
チーム防御率:2.00(2位)
奪三振:5(5位)
総失点:7(3位)
チーム打率:4割4厘(1位)
総得点:21(1位)
総本塁打:1(2位)
総失策:5(6位)
守備率:0.932(6位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 小泉病院 Blue Arrowsは、初戦で昨シーズン12位・ペヤングと対戦。初回に野脇瑠奈、内山千彩貴の連続タイムリーで先手を取り、途中1点差に追い上げられたものの、終盤6回表に堤万己の犠飛、最終回には「4番」に座る「ルーキー」泉野美音の適時二塁打でダメ押しの2点を加え、5-1で快勝。続く昨シーズン4位・厚木SC戦も投手陣の制球の乱れから押し出し等で3点を失う苦しいスタートとなったが、その裏、「ルーキー」ながら早くも「4番」の貫録を感じさせる泉野美音の満塁ホームランであっさり逆転。終わってみれば14安打・16得点の猛攻で16-6の大差で勝利を収め、開幕連勝のスタートを切った。

 開幕連勝のスタートを切ったとはいえ、「第1節」の試合内容を見る限り、投手陣には現時点で「エース」と呼べるだけの存在がおらず、若干の不安が残る。特に第2戦の初回、5四死球で3点を失う試合展開は普通なら完全な「負けパターン」の試合だった。打線の援護があったことで事なきを得たが、それを何度も期待するのは無理がある。「第1節」では第1戦で2回途中からロングリリーフし、1失点で投げ切り、勝利投手となった左腕・玉田彩音が面白い存在となりそう。昨シーズンは1試合も登板がなかったが、今シーズンは開幕初戦から起用され、好投。「第1節」で登板した投手の中では最も安定感があった。
 一方、打線は好調。「サファイアセクション」の打撃ランキング1位~3位を独占し、「キャプテン」が3打数3安打・5四死球で「打率10割」をキープしており、「ルーキー」ながら「4番」に抜擢された泉野美音が打率8割・本塁打1・打点7の大活躍! 守時瑞希も同じく打率8割のハイアベレージを残しており、投手陣に若干の不安が残るチーム状態を考えると、しばらくは好調な打線が投手陣を援護していくしかない。

 「第2節」では、初戦でともに開幕連勝スタートを切ったYKKと「直接対決」。YKK「自慢」の強力打線を投手陣がどこまで抑え込むことができるかが大きなカギとなる。また「第1節」を無失点で乗り切ったYKK投手陣を好調な打線が攻略することができるかもこの試合のポイントとなりそうだ。
 第2戦では昨シーズン準優勝のVONDS市原 Emerald Green、最終戦で平林金属 Peachblossomsと対戦することになるが、まずは初戦の「首位決戦」に全力を傾注したいところだ。初戦をモノにすることができれば……「勢い」に乗って「3連勝」もあり得る。

 「第1節」で好調なスタート切った小泉病院 Blue Arrowsにとって「第2節」は今後を占う大事な節となりそうだ。特に初戦のYKKとの「全勝対決」、続く昨シーズン準優勝・VONDS市原 Emerald Greenとの試合で、どんな試合を見せてくれるか……シーズンの行方が見えてくる。「第1節」連勝スタートの「勢い」を「第2節」につなげることができるか!? 小泉病院 Blue Arrowsの「真価」が問われる。

「第2節」 小泉病院 Blue Arrows 試合予定
5月16日(金)
対 YKK(第1節・2勝0敗)※15:00試合開始予定
5月17日(土)
対 VONDS市原 Emerald Green(第1節・1勝1敗)※12:30試合開始予定
5月18日(日)
対 平林金属 Peachblossoms(第1節・0勝2敗)※10:00試合開始予定

 

「第1節」好スタートを切った小泉病院 Blue Arrows。チームとしての「真価」が問われる「第2節」となる


開幕戦で勝利投手となった左腕・玉田彩音。若干不安の残る投手陣の中で安定したピッチングを見せてくれた


打線は「第1節」2試合で21得点を叩き出す等「絶好調」。選手たちの表情も自信に満ちている



 1勝1敗 同率3位:VONDS市原 Emerald Green
 
第1節終了時点チーム成績
チーム防御率:5.38(5位)
奪三振:16(2位)
総失点:10(5位)
チーム打率:2割4分(3位)
総得点:6(4位)
総本塁打:1(2位)
総失策:1(2位)
守備率:0.978(3位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 昨シーズン準優勝のVONDS市原は今シーズンから「VONDS市原 Emerald Green」に改称。初戦で昨シーズン4位・厚木SCと対戦し、初回に1点を失う試合展開となりながら2回裏、塚本楓花のスリーランホームランを含む5本の長短打を集中し、大量6点を奪い、一気に逆転。2回以降は先発・渡邉双葉が立ち直り、追加点を許さず、そのまま6-1で押し切り、開幕初戦を勝利で飾った。続く昨シーズン6位・YKKとの対戦は初回から頼みの渡邉双葉がYKK打線につかまってしまい、初回、2回裏と続けざまに「一発」を浴びる等、大量失点。序盤で試合が決まってしまい、結局、0-9で大敗。1勝1敗のスタートとなった。

 投手陣は、昨シーズン準優勝の立役者であった「エース」高田香(レギュラーシーズン13試合すべてに登板し、66回2/3を投げ、8勝2敗・防御率0.42・奪三振59の堂々たる成績で「MVP」を受賞)が、JD.リーグ・太陽誘電 ソルフィーユに移籍。それだけに……今シーズンは「もう一人のエース」渡邉双葉の出来にチームの浮沈がかかってくるが、初戦は1失点の完投勝利を収めたものの、2戦目はYKKの「強力打線」に飲み込まれ、早々に大量失点。こういう状況に追い込まれたとき、渡邉双葉に代わる存在がおらず、投手陣の「台所事情」は決して楽ではない。渡邉双葉の負担を少しでも軽くし、ともにチームを支えてくれる存在が出てきてくれるといいのだが。
 打線では、打率7割5分のハイアベレージを残した澁江マリン、打率6割・打点1の石井愛華、2024年「優秀選手」に輝いた塚本楓花も打率4割・本塁打1・打点3と今シーズンも出足好調。「第2節」では打線が投手陣を援護するような展開に持ち込みたいところか。

 「第2節」では初戦で「第1節」で勝ち星のなかった平林金属 Peachblossoms、2戦目に出足好調な小泉病院 Blue Arrows、最終戦でペヤングと対戦する。
 初戦の相手・平林金属 Peachblossomsは「第1節」でまだ勝ち星を挙げておらず、このまま眠らせておきたいところだ。打線が「先手」を取り、自分たちのリズム・ペースで試合を展開できれば勝利が近づく。
 続く小泉病院 Blue Arrows戦も「第1節」で連勝スタートを切っているとはいえ、投手陣に不安を残しており、こちらも「先取点」を奪えるかどうかが大きなポイントになりそう。好調な小泉病院 Blue Arrows打線を渡邉双葉がどこまで抑え込めるかもこの試合の見どころになる。
 最終戦のペヤング戦は投手陣の出来がカギとなる。「第2節」は3連戦となるだけに、「エース」渡邉双葉の負担をできるだけ軽減するためにも、それをフォロー、サポートできる第2、第3の投手の出現に期待したいところだ。

「第2節」 VONDS市原 Emerald Green 試合予定
5月16日(金)
対 平林金属 Peachblossoms(第1節・0勝2
)※10:00試合開始予定
5月17日(土)
対 小泉病院 Blue Arrows(第1節・2勝0敗)※12:30試合開始予定
5月18日(日)
対 ペヤング(第1節・1勝1敗)※15:00試合開始予定

 

「第1節」1勝1敗のVONDS市原 Emerald Green。首位争いに踏みとどまるには「第2節」が正念場


初戦は1イニング6得点のビッグイニングを作り、快勝! 第2戦は完封負けと調子の波が激しく、1勝1敗の滑り出しとなった


「エース」渡邉双葉の出来がチーム浮沈のカギを握る



 1勝1敗 同率3位:ペヤング
 
第1節終了時点チーム成績
チーム防御率:2.33(3位)
奪三振:6(4位)
総失点:6(2位)
チーム打率:2割(5位)
総得点:3(5位)
総本塁打:0(4位)
総失策:2(4位)
守備率:0.970(4位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 ペヤングは昨シーズン開幕から勝ち星なしの12連敗。開幕から13試合目、レギュラーシーズン最終戦でようやく初勝利を挙げた。2022年に現行の形に日本リーグが「再編」されて以来、それが「お決まりのパターン」の感があったチームが、今シーズンは「開幕」となる「第1節」で早くも「1勝」を挙げ、1勝1敗といつものシーズンとは「一味違う」スタートを切った。

 「第1節」初戦は、昨シーズン10位・小泉病院 Blue Arrowsと対戦。初回に2点を失い、5回裏、西本真愛の犠飛で1点を返し、1点差に詰め寄る場面もあったが、終盤追加点を奪われ、1-6で完敗。初戦を落とし、迎えた2戦目、昨シーズン8位・平林金属 Peachblossomsとの一戦は、先発に起用された「ルーキー」齋藤南美が好投。5回裏に1点を失いはしたものの、打線がその好投に応え、その直後の6回表、山坂香織の適時打で追いつき、1-1の同点のまま、延長タイブレークに突入。8回表、相手守備の乱れに乗じて1点を勝ち越すと、その裏、5回裏からリリーフしていた「エース」平山綾乃がその1点を守り切り、2-1で競り勝ち、「第1節」で早くも今シーズン初勝利を挙げた。

 投手陣では「エース」平山綾乃が2試合・11イニングを投げ、1勝1敗・防御率3.18・奪三振6。第2戦の「先発」に抜擢された「ルーキー」齋藤南美も4回まで無失点の好投を見せ、「今後」に期待を抱かせる投球内容を見せてくれた。
 打線では、山岸澪衣、山坂香織が打率3割3分3厘と「打率3割」を超えた。チーム打率2割ちょうどは寂しい数字だが、「第1節」で早くも「1勝」を挙げたことは、何より大きな「自信」になるはす。投手陣も「エース」平山綾乃に相変わらず四死球が多いのが気になるが、まったくタイプの異なる齋藤南美が台頭すれば、打線の援護次第でさらに勝ち星を上積みしていくことも夢ではない。

 「第2節」では、初戦で開幕から未だ勝ち星のない厚木SC、2戦目で開幕連勝スタートを切ったYKK、最終戦で「第1節」1勝1敗のVONDS市原 Emerald Greenと対戦する。
 初戦の対戦相手・厚木SCは投手陣に「不安」を残しているだけに、投手陣の踏ん張り次第では十分に勝機はあるはず。打線が先に点を取り、先行するような試合展開に持ち込めれば「2勝目」が現実味を帯びてくる。
 続く第2戦の対戦相手・YKKは投打に充実、「第1節」を無失点で乗り切った投手陣から得点を奪うことができるか、「サファイアセクション」No.1の破壊力を誇る「強力打線」をどこまで抑えることができるか、このあたりがポイントとなる。
 最終戦のVONDS市原 Emerald Greenも昨シーズン「準優勝」の「実力派」チーム。「第2節」最終戦での対戦となるだけに、それまでに「エース」渡邉双葉がフル回転し、消耗していれば、つけ入る「隙」が出てくる可能性も……。

 どちらにしても、この「第2節」で再び「勝利」をつかむことができれば……ペヤングが「サファイアセクション」の「台風の目」となり、「上位争い」に割って入る可能性もある。それだけに……この「第2節」での戦いが重要な意味を持ってくる。いつものシーズンとは「一味違う」ペヤングの姿が見られるか!? 「第2節」での戦いに期待と注目が集まる。

「第2節」 ペヤング 試合予定
5月16日(金)
対 厚木SC(第1節・0勝2敗)※12:30試合開始予定
5月17日(土)
対 YKK(第1節・2勝0敗)※15:00試合開始予定
5月18日(日)
対 VONDS市原 Emerald Green(第1節・1勝1敗)※15:00試合開始予定

 

「第1節」1勝1敗のペヤング。「サファイアセクション」台風の目となるか!?


「第1節」で早くも「1勝」を挙げたペヤング。例年にない好スタートを切り、上位進出を狙う


チーム打率は2割ちょうどと湿りがち……投手陣が踏ん張っているだけに「打線の援護」が上位進出のカギとなる



 0勝2敗 同率5位:厚木SC
 
第1節終了時点チーム成績
チーム防御率:12.25(6位)
奪三振:6(4位)
総失点:22(6位)
チーム打率:2割1分8厘(4位)
総得点:7(3位)
総本塁打:0(4位)
総失策:1(2位)
守備率:0.981(2位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 厚木SCは初戦で昨シーズン準優勝・VONDS市原 Emerald Greenと対戦。初回に今シーズン「移籍加入」した加藤花澄の犠牲フライで先手を取ったが……先発・鈴木心菜が2回裏、二死走者なしから四球の走者を出し、4連続長短打で3点を失い、なお二死一・二塁のピンチが続き、古本緋里をリリーフに送ったものの、勝負を決するスリーランを浴び、勝負あった。そのまま1-6で敗れ、開幕初戦を落としてしまった。続く昨シーズン10位・小泉病院 Blue Arrowsとの対戦も初回に相手投手の制球の乱れに乗じて5四死球で押し出し等、ノーヒットで3点を先制。大きなアドバンテージをもらったかに見えたが……その裏、先発・古本緋里が四球、犠打失策、バント安打で無死満塁と攻め立てられ、満塁ホームランを浴び、あっさり逆転を許し、一死も取れず降板。リリーフした鈴木心菜も火のついた小泉病院 Blue Arrows打線を止められず、2回裏の1イニングで9失点と火に油を注ぐ形となり、結局、試合を通じて14安打を浴び、16失点と打ち込まれ、6-16の大差で敗れ、開幕連敗スタートとなってしまった。

 昨シーズン「躍進」の原動力となった「エース」古屋英恵(レギュラーシーズン13試合中12試合(1試合はペヤング戦の不戦勝)・81イニングを投げ、8勝2敗・防御率0.86・奪三振56)と抜群の安定感を見せていた「エース」が抜け、昨シーズン「未勝利」の古本緋里(4試合・5イニングを投げ、0勝2敗・防御率7.00・奪三振2)が投手陣の中心となったが、2試合・9回1/3を投げ、勝敗つかずの防御率5.25・奪三振6。「エース」というにはあまりにも心もとない成績で、期待された「ルーキー」鈴木心菜に至っては、0勝2敗・防御率36.75……2試合で計22失点とあっては「勝機」を見出すのは難しく、連敗スタートの大きな「原因」となってしまった。
 打線では、ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校から「移籍加入」した木下奈津が打率5割と気を吐き、同じくVONDS市原から「移籍加入」した加藤花澄が打率4割・打点1と「新天地」で活躍を見せている。「第1節」の2試合とも「先手」は取っており、投手陣が踏ん張れれば十分に「勝機」はあるはず。「第2節」へ向け、投手陣の立て直しが急務だ。

 「第2節」では、初戦でペヤング、第2戦で平林金属 Peachblossoms、最終戦でYKKと対戦する。
 初戦の相手・ペヤングは「第1節」で早くも「1勝」を挙げ、例年にない好スタートを切ってはいるが、チーム打率は2割ちょうどと打線に当たりは出ていない。厚木SCの投手陣の踏ん張りがこの試合のポイントになる。「第1節」のように打線が「先手」を取り、そのリードをしっかりと守っていく試合展開に持ち込めれば「初勝利」も見えてくる。
 第2戦の平林金属 Peachblossomsは「第1節」で勝ち星なく、こちらも2試合でわずか1得点と打線が湿っている。得点力不足に泣いているだけに、この試合も厚木SC投手陣がどこまで踏ん張れるかが勝負の分かれ目になりそうだ。
 最終戦の相手・YKKは、今シーズン投打に充実しており、「第1節」で連勝スタートを切る等、隙のないチームだ。「第1節」の投打の成績・数字だけを見ると、厳しい戦いとなることが予想されるが、勝負はやってみなければわからない。チーム一丸となって「勝利」を追い求める姿勢を持ち、この試合に臨んでほしい。

 「エース」として期待される古本緋里、リーグ登板経験のある左腕・髙木優月、「第1節」で2試合に登板した「ルーキー」鈴木心菜、いずれかが投手陣の「軸」となってくれれば……今後へ「明るい兆し」が見えてくる。
 また、打線が投手陣を援護し、「打ち勝つ」試合が展開できれば、苦しい現状を打破していくことも可能になる。厚木SCの「第2節」での巻き返し、逆襲に期待したい。

「第2節」 厚木SC 試合予定
5月16日(金)
対 ペヤング(第1節・1勝1敗)※12:30試合開始予定
5月17日(土)
対 平林金属 Peachblossoms(第1節・0勝2敗)※10:00試合開始予定
5月18日(日)
対 YKK(第1節・2勝0敗)※12:30試合開始予定

 

「第1節」連敗で出遅れた厚木SC。「第2節」での逆襲を誓う!


打線は2試合とも先制したが……2試合連続の逆転負け


「第1節」2試合で22失点……投手陣の立て直しが急務だ



 0勝2敗 同率5位:平林金属 Peachblossoms
 
第1節終了時点チーム成績
チーム防御率:3.00(4位)
奪三振:4(6位)
総失点:7(3位)
チーム打率:1割4分(6位)
総得点:1(6位)
総本塁打:0(4位)
総失策:2(4位)
守備率:0.968(5位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 平林金属 Peachblossomsは初戦で昨シーズン6位・YKKと対戦。先発・橋口紫織が2回裏、犠飛、タイムリー等で3点を失うと、5回裏にも3本の長短打を浴び、2失点。打線も散発4安打、12三振を奪われては打つ手なく、0-5の完封負け。続く昨シーズン12位・ペヤングとの対戦は0-0で迎えた5回裏、「キャプテン」森香央理がセカンド内野安打で出塁し、本山水月の左中間を破る適時二塁打で待望の先取点を挙げた。しかし……6回表、二死三塁のピンチを迎えたところで、「クローザー」として橋口紫織を投入したが、同点タイムリーを浴び、1-1の同点に。そのまま試合は延長タイブレークにもつれ込み、守備の乱れから勝ち越し点を許し、1-2の惜敗。開幕連敗のスタートとなってしまった。

 投手陣は、「開幕投手」に指名され、第2戦でも「勝負どころ」で「クローザー」として起用された橋口紫織が2試合・7回1/3を投げ、0勝2敗・防御率4.77と期待に応えられず……2試合・3回2/3を投げ、防御率1.91の「投打二刀流」行武唯華、第2戦の「先発」に起用され、3イニングを「無失点」でまとめた伊藝優良を含め、誰かが「エース」と呼べるだけの存在になってくれることを期待したいところだ。
 打線は昨シーズンまで「チームの顔」として活躍した「主砲」植村華(打率3割6分1厘・本塁打5・打点10で2024年「優秀選手」を受賞)が打線から抜けたのはやはり大きく、初戦は完封負け、第2戦もわずか1点と「得点力不足」に泣く結果となった。第2戦でチーム「唯一の得点」を叩き出した本山水月が打率3割3分3厘と打率3割を超えているが、「3割打者」はこの本山水月一人だけ。チーム打率1割4分・総得点1・総本塁打0では「勝機」を見出すことは難しい。

 「第2節」では初戦でVONDS市原 Emerald Green、第2戦で厚木SC、最終戦で小泉病院 Blue Arrowsとの対戦が組まれた。
 初戦の相手・VONDS市原 Emerald Greenは「第1節」1勝1敗。「上位争い」に踏みとどまるためにも「必勝」を期して、この試合に臨んでくるはずだ。それ以上の「強い気持ち」をもって「初勝利」をめざし、戦う「覚悟」と「気合」が必要になる。
 2戦目の厚木SC戦は、投手陣に「決め手」を欠き、「エース不在」に悩むチーム状態。それだけにこの試合では「打線の奮起」を期待したいところだ。昨シーズン「優秀選手」に輝いた行武唯華の投打にわたる活躍が見られれば……「初勝利」がグッと近づく。
 最終戦は「第1節」連勝スタートを切った小泉病院 Blue Arrowsとの対戦となる。小泉病院 Blue Arrowsは広島、平林金属 Peachblossomsは岡山と同じ中国地区の隣県に本拠地を置くチーム同士。日本リーグ以外でも対戦する機会も多く、手の内は知り尽くしている。ソフトボールにおいては「ライバル意識」の強い地域性があるだけに「負けられない」試合となるはずだ。

 「第1節」ではスタートで躓いてしまった平林金属 Peachblossoms。「第2節」ではまず「初勝利」を挙げ、勢いに乗って上位戦線に割り込むような戦いを見せてくれることを期待したい。

「第2節」 平林金属 Peachblossoms 試合予定
5月16日(金)
対 VONDS市原 Emerald Green(第1節・1勝1敗)※10:00試合開始予定
5月17日(土)
対 厚木SC(第1節・0勝2敗)※10:00試合開始予定
5月18日(日)
対 小泉病院 Blue Arrows(第1節・2勝0敗)※10:00試合開始予定

 

「第1節」連敗スタートとなった平林金属 Peachblossoms。まずは「初勝利」をめざす!


チームの「大黒柱」橋口紫織。投打にわたる活躍を期待! 苦境に立つチームを救え!!


「第1節」2試合で得点わずかに「1」。「打線の奮起」が巻き返しへのカギになる


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